カエターノ・ヴェローゾ来日公演 最終日
5月25日(水)(5/28、少々加筆修正しました)
カエターノ・ヴェローゾ@東京国際フォーラム ホールA へ行く。
開演予定時刻の20分弱前に会場に着く。2Fのロビーで、ワインを一杯いただいてから席へと向かう。今日の席は、発売開始から随分経ってチケットを取ったため、ステージから中途半端に遠い。カエターノの表情までは伺い知ることが出来ない距離で、音響も良くもなく、悪くもなくといったところ。演奏と連動した彼の身体表現を、十分に堪能することができずに、非常に残念であった。
本日のオーディエンスは、とてもクールであったと思う。じっくりと演奏に耳を傾け、良い演奏であれば、演奏が終わると同時に、惜しみない拍手を送るといったスタンスの聴衆が多かったように感じた。
プログラムは、最新アルバム『A Foreign Sound』からと、カエターノのベスト的な内容が半々といったところか?
今回、8年振りの来日ということもあって、聴衆の多くはどちらかというとオリジナルが多く演奏されることを、期待していたのかも知れないが、アメリカのスタンダード・ポップスのカバーのみで構成された、カエターノの最新アルバム『A Foreign Sound』からの演奏の方が、個人的には良かったように思われた。
何よりアレンジがとても素晴らしかったし、きっとアルバムの選曲自体が、カエターノの声に合ったものであるからなのだろう。今日の演奏も、特に低音が、甘くとろけるよう。そして、優しくそっと包み込むような声で、思わず何度もため息が出るほどであった。
しかし全体的には(何しろ今日初めて観たので、あくまで私の憶測に過ぎませんが)最終日で疲れが出たのか、昨日、一昨日に比べたら、声の調子はあまり良くなかったのではないかと思う。中〜高音にかけては、かすれるまではまではいかないが、透明感に欠ける声であったように思った。
バンドは、抑制的でありながら、沸々と沸き上がってくるような熱さを感じさせる演奏。そして個々の演奏が際立って聴こえるアレンジ、それでいてバンド全体でのサウンドには広がりがある。ギュッと締まった音というよりは、全般には割と開放的な音であったと思う。
比べること自体が間違っているのかも知れないが、今日のライブは、正直、昨年ジョアン・ジルベルトを観た時ほどの驚きと感動はなかった。期待していた以上のものはなかったように思う。演奏時間も昨年のジョアンが、最終日3時間半以上に及んだのに対して、1時間半強と少々もの足りなく感じられた。長く演ればいいというものでもないが、アンコールで、もう1、2曲多く演っていたら、印象はだいぶ変わっていたかも知れない。
ジョアンが変人(変態といった方が、ニュアンス的には正しいか?)なら、カエターノは、超人である。そして紳士であり、ロック小僧であり、何よりエンターテイナーある。本編のラストで演奏された『O Estrangeiro』は非常に衝撃的であったし、他のどんなロック・ミュージシャンよりも、ロック・スピリットに溢れた演奏であったと思う。
悪いと思ったことも、正直に書きましたが、ライブから帰って来て、今思うのは、またすぐにでも観たいということ。今度は余り期間を空けずに、出来ることならば、ジョアンのようにまた来年も!といいたい。そして、もしまた1時間半のプログラムであるのなら、2種類のプログラムを用意して欲しい。一つは最新曲中心、もう一つはベスト的な内容というように。1公演6〜7千円位で、両方観て1万3千円弱といった感じで。これならば、日本の我が侭なファンも、十分に満足出来ると思うのですが。
セットリストは、中原仁さんのブログに、詳しく出ています。
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