2/24 矢野沙織カルテット@西新井カフェ・クレール
2/24(土)矢野沙織カルテット@西新井カフェ・クレール
矢野沙織(as)今泉正明(p)増原巌(b)加納樹麻(dr)
矢野沙織を最初に知ったのは、もう5年位前になるだろうか、何気なく見ていたケーブルTVの放送だった。当時まだ中学生だったと思うのだが、大人に交じって、まだおぼつかない様子で、それでも懸命にソロを取る様子が、映し出されていたのを覚えている。しかし、それで一気に惚れ込んだという訳ではなくて、その後、上野のCDショップで、彼女のデビュー・アルバムを見掛けたものの、随分と早いデビューだなと思ったくらいで、特に気にも留めなかったのである。
矢野沙織との本当の意味での出会いは「02」という、2ndアルバムだった。その日のお目当ては、その超絶的なプレイで、鮮烈なデビューを飾り、テレビでハービー・ハンコックとのジャズ・フェスでの共演が放送されるなど、その頃、既に大きな注目を集めていた、松永貴志の新譜であった。しかし、渋谷のCDショップで試聴機のヘッドフォンを耳に当てるも、些か期待はずれのその音にぼんやりしていた時に、となりの矢野沙織の試聴コーナーが目に止まったのだった。最初の1フレーズを聴いただけで、とにかく驚いた。これがホンの数年前、TVの中でか細い音で申し訳なさそうにサックスを吹いていた少女なのかと。そして、1曲目をホンの数十秒聴いただけで、そのCDを即買いしたのである。家にに帰り早速ネットで調べてみると、何と翌日、自宅近くのいつも買い物に出掛ける、スーパーの隣りにあるカフェで、ライブがあるという。翌日、開演間際に店に飛び込むと、そこがあのケーブルTVで映し出されていた、カフェ・クレールだったのである。
さて、そんな私の矢野さんの音楽との出会いの場所でもある、カフェ・クレールでの2007年、2度目のライブに行ってきました。
今日のドラムは加納樹麻さん。今回初めて拝見しました。元気が良く、音量はあるのですが、その分全体のバランスを、少々乱しがちであったように思います。またそれで、他のプレーヤーのソロが、聞き取りにくくなってしまった部分も、あったように感じました。
今日、一番光っていたのは、ベースの増原巌さんだったでしょうか。今回もまた、非常に長いソロを取っていましたが、それを飽きさせることなく聴かせるだけの腕があり、そしてまたベーシストとしては珍しく、メロディー・センスも非常にいいのではないかと思います。
今日のピアノは、デビュー当初から矢野さんを支える今泉正明さん。正確なキータッチと、特にソロなどではトリッキーな部分も見せ、またベテランらしい巧さも兼ね備えたプレーヤーです。またその巧さも、厭味がないところが良い。今日は、そんな今泉さんと一緒ということで、矢野さんはその表情からも、随分とリラックスした様子が伺えました。
矢野さんは、この一年で随分と成長したなと、つくづく思わされます。今では、リーダーとしての立ち振る舞いも、とても落ち着いていて堂々としたものである。彼女の最大の魅力であるボリュームのある音色も、昨今増々深みを増している様に感じます。さらに彼女の凄いところは、速いフレーズにおいても、その音色が損なわれないところなのです。よく息が吹き込まれ、楽器を目一杯鳴らすことができる。今日の矢野さんは、ソロの途中で何度か指が止まる場面も見受けられましたが、焦りがないからなのか、それが決してイヤな感じではなくて、むしろこなれた感じでさえありました。そんなところから、もうベテランの風格さえ感じさせられた、そんな今日のライブでありました。
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